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【議題:不登校対策】令和6年度第2回「総合教育会議」レポート

こんにちは!総合教育監の加藤聡です。今回は、7月22日に開催された「総合教育会議」についてご報告します。

「総合教育会議」は、市長と教育委員会とが教育施策に関する重要事項を協議する会議。今回のテーマは、不登校対策の推進です。

会議資料や議事概要は公式サイトに掲載しています。詳細は、以下のページをご参照ください。

 

新たな取り組み「不登校児童生徒支援員」現場の声

全国と同様、姫路市でも大きな課題となっている不登校児童・生徒の増加。市では、様々な対策を講じています。

久保田教育長

久保田教育長は冒頭あいさつで、今年度からスタートした小中学校への不登校児童生徒支援員の配置について、現場からの声を紹介しました。

現場からは、「全く登校できていなかった児童が、毎日ではないが登校できるようになった」「生徒が教室に入ることができるようになった」等の報告が入っている。
支援員に関しては成果をとりまとめ、充実した環境づくりにつなげていきたいと考えている。

久保田教育長あいさつより抜粋

清元市長からは、前向きな受け止めが。

清元市長

支援員を配置し、ソフトパワーを活用することで、現場からもポジティブな報告が届いているということを聞いて少し安心している。
やはり教育というのは箱ではなく、人間力を持って取り組まなければならない。

清元市長コメントより抜粋

不登校の原因「無気力・不安」への問題意識

国の調査結果では、全国的にも、姫路市においても、不登校の要因として最も多いのが「無気力・不安」です。

会議の出席者からは、この「無気力・不安」について、より細かく分析する必要がある旨の指摘が相次ぎました。

左から、中野教育委員、森下教育委員、角谷教育委員、山下教育委員

久保田教育長は、この点に関する調査に触れながら、国の対応方針について説明しました。

文部科学省も同様の問題意識を持っており、文部科学省委託事業で不登校の要因分析に関する調査研究が行われている。
はっきりとした要因がない場合に「無気力・不安」と回答しやすいという話も出ており、その背景に何があるのかということについては、今後、きちんと調査していく方向性になっている。

久保田教育長コメントより抜粋

現場が取り組む、一人ひとりへの個別対応

不登校をめぐる調査やデータの分析も重要ですが、背景や事情は一人ひとり異なるのも現実です。

教育次長からは、個別対応に関する現場の取り組みについて説明がありました。

平田教育次長(左)、平山教育次長(右)

それぞれの子供の傾向を見るため、各学校には不登校対策支援プランの作成を指示し、一人ひとりについて、児童生徒理解・支援シートを作るよう呼び掛けている。
その子の不登校の要因は何か、このときはこういう効果があった、こういう声かけをしたという、一人ひとりに個別に対応することを重視している。

教育次長の説明(趣旨)

協議が進む、教育と福祉との連携

今回の会議には、健康福祉局を所管する峯野局長も関係者として出席しました。

峯野健康福祉局長

発達障害の児童生徒が増えていることへの問題意識から、教育現場と福祉との連携を強化する取り組みを推進しています。

今年度、健康福祉局、こども未来局、教育委員会で、担当者の連絡会議を立ち上げ、これまでに6回開催し、発達障害の児童生徒への支援のイメージや取組の方向性が見えてきたところである。
連携の体制が整ったので、不登校に関しても、今後、連携・協議していくことが可能であると考えている。

峯野局長コメントより抜粋 

会議では、他にも様々な問題提起や意見が出されました(以下、要旨を一部抜粋)。

  • (深刻ないじめケースを念頭に)加害者側への教育のためにも、加害者側が別室で指導・授業を受けることも検討すべき

  • 教室に防犯カメラを設置しても良いのではないか

  • 権限と責任が重い学校長を孤立させないよう、学校長が相談できる体制の整備も重要

  • 様々な不登校対策を連携させながら、施策の認知向上と、当事者にとってのアクセシビリティー向上が重要

山田副市長(真ん中)、加藤総合教育監(左)、福田政策局長(右)

年間30日以上の欠席という基準でカウントされる「不登校」の児童生徒。

一方で、個別ケースの事情は様々です。

教育現場の努力だけでなく、保護者、行政、福祉や医療、民間施設などとともに、重層的な個別支援体制を充実させていく重要性を改めて共有しました。

詳しい議事録は、以下のページ内資料をご覧ください。